これからのこと


私 素直に生きます


死にたくたって そんなのでも別にいいから


生きている時 そのほんの少しの間だけは


素直に生きます


死んだ時に あれから嘘一つつかないで


ここまでなんとか生きてきたなって 言えるような


そのくらい 素直な人になります


本当は 最後に書くことでは無いけれど


拝啓、貴方へ

きれいごと


見えていたものは 当たり前のように


止まったり動いたりを 繰り返し


それが なんとも感じられなくなったのは


いつからの事なのか 今はもう分からなくなった


自分の呼吸音に耳を傾ける 心臓の鼓動を感じ取る


それすらも 出来なくなってしまっていたな


貴方の言ってる意味も 分からなくなってしまったな


同じようにしていても 結局はそうなんだ


あの時握っていた手は 今ではどこかに隠してしまって


どんな顔して立っていたっけ 貴方が見たら驚くかな


結局はそんなもんだって 自分に言い聞かせるのばかり上手くなる


何がしたいんだっけ どうなりたいんだっけ


どうやったって戻れないのは みんな一緒


それなら前に向かって進めばいいって 言うけれど


難しいんだよ 前向きになるって


考えないって 難しいんだよ


答えのない答えを探して 探し疲れてさ


もうどうなったっていいやって 全部馬鹿みたいに思えたり


不思議なことに また初めに戻ったりして


ごめんねって言うくらいなら しなけりゃいいのに


辛くないよって 辛い時しか言わないのに


どれもこれもみんな 同じような事で


悩んで また朝を迎える


握った手に残ってた ほんの少しの温もりは


どっかに置いていかなきゃ いけなくて


嘘みたいだって笑ってた あの日はもう来なくて


貰った物 大切で使えないのと一緒だよ


無くても良かった けど無きゃ困ってた


そんな話を ずっとしたいよ

金木犀の夜


だいたい夜はちょっと 自分でも分からなくなって


感傷的になっては 傷つけるものばかり探して


怖くて震える 何が悪いのか分からずに


いつの日にかあなたに 教えて貰った花の名前


「この時期になると 姿は見えないけれど


どこかで私の名前を 呼んでいる気がするんだ」


私にはわからなかった その花の香りすらも


あなただけが知りうる事で いつの間にか一人な気がした


それでも探していた 必死に探していた


私はあなたに なりたかったんだ


あれから歳を重ね 単純な日々を数え


ちょっとしたことが 許せないくらいに弱って


それでも探していた 忘れた事なんてなかった


あなたがいない夜に 少し慣れた気がした


悲しいよ ねえ


貴方と歩く夜は 左手が少し暖かくて


暗い空も なんだか明るく見えたんだ


悲しくなんかないよ今は 寂しくないよ貴方がいるから


あの花の呼び声も 教えてくれたね


心が忘れないから 貴方を忘れやしないから


あの笑顔もあの匂いも 全部忘れないから


いつか他の誰かを 好きになったとしても


どうかどうか 私を忘れないでいて


だいたい夜はちょっと 寂しくなりがちで


あの花の匂いを 辿る 辿る


ねえ知りたいよ ねえ不安だよ


貴方は今何処で 何をしていますか

自分の事を言えなくなったのは


いつの間にか 何も信じられなくなっていた


あの人が言った言葉や そこにあるはずの物


何よりも大切な事も そして自分自身も全て


ここで終わらせてもいいのかなって 考えてみたり


明日が来ないようにすれば 楽になれるのかなとか


ずっと前から頭の中に こびり付いて離れない


自分を蝕む言葉が こびり付いて離れない


気が付いたら いつの間にか汚れちゃって


誰にも 相手にされなくて


悲しかった 辛かった


このままでいいのかな これでよかったのかな


何度も自分に 言い聞かせてた


それでも私は 偽善者で


貴方は今幸せですか だなんて聞いてみたり


疲れ切った目で大丈夫 そう言う貴方を心配したり


私ってなんだか わからないな


したいことも出来ないで 苦しい思いしてばかりの日々に


随分前から 嫌気がさしてるけれど


だからといって 何をする訳でもなく


ただ何もせず 大人しく死期を迎えることでしか


私は私として 生きていけないのかな


生きることに 疲れたけれど


死ぬことにも 疲れたそんな朝


流れる涙の理由なんて 私にも分からないけれど


今だけ少しだけ 動けないままでいさせて


どうかお願い ほんの少しだけでいいから

また此処から


いつの日か貴方が言ってた言葉を ふと思い出したんだ


「貴方を産んでくれた 貴方の親に感謝してるよ」


恵まれている事に 私には親がいる


ここまで大きく 大人になるまでに


たくさんの愛情を 注いでもらったと思う


けれど私は ずっと恨んでいた


何がきっかけかは 思い出せないけれど


あの人たちを家族と思った事なんか 正直一度もなかった


いつも悲しくて いつも一人で


一番そばにいてくれてる人が 辛い時に助けてくれない悲しみ


このまま生きてていいのかなって 辛くて怖くて


誰かに少しでもいいから 理解して欲しかった


そのせいか 二度も命を絶つような真似をして


死んだら貴方達に会わなくなって 楽になれるのにと


どれだけ思って 声殺して泣いた夜があったか


それでも 私にとって大切な貴方は


私の家族に 感謝しているみたいで


「貴方の親がいなかったら 貴方もいなかったんだよ」


分かってたんじゃなくて 分かってたつもりだった


貴方のおかげで 少し大人になれた気がする


貴方のおかげで 今此処に生きてる幸せを


見つけられた そんな気がする


私も貴方の親に 感謝しなくちゃいけない


当たり前のようで 当たり前じゃない


此処に生まれたのも 貴方に会えたのも


全部 当たり前じゃないんだ

同じように、私にうつして

初めはただ つらつらと並ぶ言葉だけで


嬉しくなったり 悲しくなったり


心配で心配で 眠れぬ夜が続いたりもした


それから逢って 貴方に触れる度に


いつの間にか 物足りなくなって


いつの間にか 一人ぼっちではなくなって


当たり前になるのが 怖かったのに


私の中にずっとずっと 根を張って蔦を絡ませ


絶対に離れまいと しがみつくその姿は


今の私を 見ているようで


離れられない そばにいたい


ただその想いだけが 私を動かしているようで


またあの日と同じように 二人手を繋いで歩けるのが


どれだけ幸せなことで どれだけ恵まれている事か


二十四年間生きてきて 今初めて分かりました


例え病気で 何もかも分からなくなっても


二人とも死んで いなくなったとしても


忘れずに 記憶から消さずに


貴方をずっと 想い続けられたらな


悲しいけれど 寂しくないよ


苦しいけど 辛くないよ


私にとって貴方は 大切な人


私にとって貴方は かけがえのない人


好きだよ いつまでも信じてます

拝啓、大切な貴方へ

もう自分でも わからなくなってしまった


何がしたいだとか 誰に好かれたいだとか


見失ったんじゃなくて 初めからわからなかったんだ


答えの無いまま 今まで生きてきた


苦しい思いばかりして 嫌な思いばかりして


何の為に生きているのか わからない日々ばかり過ごしてた


生きるのって こんなに難しかったっけ


好きなことするのって こんなに大変な事だったっけ


わからなかったんじゃなくて 知らなかった


誰かの力になんてなれやしないし 大切な人ばかり傷つけて


生まれてこなければ 貴方を悲しませることなんてなかったのに


私なんかいなければ 貴方はこんなにも苦しまなかったんだろうって


誰かを悲しませるのは もう嫌だから


いっその事 終わりにしちゃえばいいんだって


生まれた意味もわからないのに 生きててもいいのかなって


でも こんな私にも こんな私でも


ほんの少しだけでもいいから 貴方を守りたいんだ助けてあげたいんだ


でも本当に 助けてあげられるのかな


うわべの言葉じゃなくて 心の底からの言葉を


貴方に伝えたい ただそれだけのことなのに


いつも私は 自分のことばかり考えて


貴方の気持ちを 全部分かったふりばかりしていた


貴方が言う助けての一言は 私に届いているのに


私の言葉は貴方に届かず 声にもならず


こうして綴る文字で 精一杯なのかもしれない


いつの間にか 弱くなってしまった


もうあの時みたいに 唄えなくなってるんだ


いつの間にか 唄えなくなってた


貴方の事を思い出して 泣いてしまう


貴方の歌を思い出して 泣いてしまう


いつの日かまた 貴方の歌を聴けたらな


私はずっと 貴方の味方だから


声も届けず 助けにも答えられない弱い人間だけど


一日も 貴方を忘れた事なんて無いから


ずっといつまでも 貴方を思っているから


貴方が私の事を いつまでも心配して大切にしてくれたように


私もいつまでも 貴方の事を想ってる


あの時出会っていなければ 私は生きていなかったから


貴方にたくさん救われたから 今度は私が助けてあげる


思いも声も届けられないような 臆病者だけど


それでも 助けてあげたいんだ


貴方の苦しみがいつかの日か一周回って 何でもなかったような事になれば


今だから笑える話って そう言えるかな


貴方が今まで辛い時も 苦しい時も


逃げないで 必死に歩いてたこと


ボロボロになりながらも 終わりが見えなくても


泣きながら 諦めなかった事


私は知っているから 貴方の強さや優しさを


いつだって自分しか見えてなかった私とは


いつだって自分しか語らない私とは


全然違って 輝いて見えていた


一番になれなくても 思い通りにいかなくても


私は 貴方が今日も生きてる事を褒めて


死にたいと願った昨日を 乗り越えたことも褒めて


参加賞を 渡したい


だから自分の事を 悪く言わないで


自分の事を 嫌いにならないで


貴方が生きてきた その一瞬一瞬は


今の貴方を 映し出していて


してきた過ちや 失敗があるからこそ


今の貴方が そこにいる


そんな貴方が好きだし その貴方が好き


いつの日かまた 幸せな夜に


公園のブランコで 泣きながらお話できたらな


よく晴れた日に 自転車に乗って


また 笑い会えたらな


貴方が見せてくれた 笑顔や泣き顔


今でも鮮明に 覚えています


気持ちに答えられなくて ごめんね


助けてあげられなくて ごめんね


そばにいてあげられなくて ごめんね


安心させてあげられなくてごめんね


でも 貴方に会えて本当に良かった


ありがとう 本当にありがとう


少し落ち着いたら またお話聞かせて欲しいな


どうか 幸せな日々を送れていますように


どうか 私の言葉で少しだけでも


少しだけでも 救われますように





拝啓、大切な貴方へ