目には見えないものでも

 

 


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愛なんかなくても 私たち人間はなんでも出来てしまう怖さ

 

 

手を握ったり抱き合ったり キスをしたりセックスをしたり

 

 

そんな薄っぺらいもので いとも簡単に繋がれる

 

 

本当に大切なものなんか 無いんじゃないのかと

 

 

私もその内の一人だと思うと とても儚くて残酷でしかない

 

 

本当の意味での番を知らないからこその 真似事なんじゃないのかな

 

 

その延長線上で満足して 何事も無く生活する姿が

 

 

なんだか可笑しくて 私やみんながみんなしていることなのに

 

 

其れに気付いてしまってからは テレビで見るあの人だったり

 

 

街で見かける人皆が 大切な何かの裏側に秘めた隠し事を

 

 

何処かで共有しているみたいで 知らないふりをしているみたいで

 

 

人の奥の奥の薄汚い部分を見い出せた 七月の夜

 

 

静けさが収まらない街の中でただ一人 途方もないまま歩き続ける

 

 

何処に行こうか何をしようか そんな事は一切考えず

 

 

ただ見たままのその風景を 首からぶら下げた黒い箱に閉じ込める

 

 

一瞬だけ照らし輝く其れに 私はどれだけ救われたのだろうか

 

 

私にも人間臭い部分があるんだと 気付かされた

 

 

私はこのままでいいんだと 気付かされた

 

 

覗かなくてもいいようになったのは 時代の進化かそれとも私の成長か

 

 

両手に収まらない四角形の風景は 大切な物を写している

 

 

其れも薄っぺらい物なんだけれど 何でだろう

 

 

其れも深い物なんだけれど 何でだろう

 

 

言葉では表せられない程 違う物で

 

 

目に見えるとか 見えないとかじゃなくて

 

 

奥行きがあるとか 無いとかじゃなくて

 

 

上手く言葉で表しきれないけれど 分かって欲しいんだ

 

 

時間がかかってもいいから 分かって欲しいんだ

 

 

あの時一緒にいた時間や 貴方が泣いていた時だってそう

 

 

一瞬だったけれど それは重みのある時間で

 

 

一言ではとても 表しきれない程大切な一瞬だった

 

 

その一瞬を求めて 人は人との繋がりを求める

 

 

どんなに薄っぺらくても どんなに浅くても

 

 

自分の中にあったはずの大切な物を 見つけるために

 

 

交わり そして重なり合う

 

 

運命や奇跡で 片付けるようなものでは無い

 

 

同じ一瞬を生きている中での 時の交差点で

 

 

巡り合わせた ただそれだけにしか過ぎない

 

 

だけど人は其れを 運命や奇跡と呼ぶ

 

 

だけど其れを 大切にする

 

 

私もいつの間にか落として 探し求めていた

 

 

秘密にしていた そうしていただけだったみたい

 

 

今日の夜空は何故だか いつもより明るくはっきりと見えた