優しくしてください

 

 

 

ふと思い出す 少し前の私の事を 

 

 

 

 

 

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何をするにも 嫌になっていた時期があった

 

 

朝起きてから一度も動けなくて 顔も洗えず一日を同じ体勢で過ごして

 

 

いっそのこと 消えてしまえば楽なのにと

 

 

いつも考えては また同じ日々を過ごしていた

 

 

十八歳と二十一歳に 夢を見ることを放棄した

 

 

それは誰かにとっては たった一瞬の事だったけれど

 

 

私にとっては 十八年と一秒、二十一年と一秒で

 

 

どうでもいいことではなかったんだよな 苦しかったんだ

 

 

大切なことなんて 私にはもう無かった

 

 

目を閉じても ぐるぐると黒が渦巻くだけで

 

 

柔らかなぬくもりなんて 知らず生まれ落ちたから

 

 

もう十分だよって それだけでよかったのにな

 

 

よかったのにな

 

 

あれから 随分と時間は経ったけれど

 

 

根本的なところは 何一つ変わってはいなくて

 

 

何がしたいのか どうなりたいのか

 

 

わからない日々を 過ごしては

 

 

大切な人や物を 少しずつ失っていく

 

 

息をすることって こんなにも難しかったっけ

 

 

歩くことって こんなにも辛いことだったっけ

 

 

今まで 何気なくできていた自分を褒めてあげたいくらいに

 

 

弱ってしまったと ふと思う、齢二十四の三月の夜 

 

 

ただ あの頃と違うのは

 

 

隣にいて 笑ってくれる貴方がいること

 

 

貴方と呼べる 存在があること

 

 

その事実に 私は感謝しなければならない

 

 

当たり前ではない この一瞬に

 

 

二度とない この人生に

 

 

あんまり口には出して 言えない事だけれど

 

 

救われているんだよ 本当さ 

 

 

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