拝啓、貴方へ

 

もうじき 今までの事が全て終わる

 

あの日見た綺麗な夕焼けも 好きな子のタバコの匂いも

 

見透かされた真実も 沢山泣いたあの日々も

 

いつも通りに過ごしてさ いつも通りに話しては

 

またねとおはようを 繰り返してばかりだった

 

もう会えなくなるし 伝えたい事も伝えられなくなる

 

動かなくなるのは 口だけじゃないから

 

たった一つの命だけれど それでもひとつの命だった

 

誰かに愛されたかった 心の底から認めて欲しかった

 

それでも 最後の幸せが

 

貴方との思い出で 本当に良かった

 

最後のまたねは ほんの少しだけ温かかった