脱ぎ捨ててさよなら


私はいつも 色んなものを集めていた


幸せだったり 一人の時間だったり


誰かの思い出だったり 苦しさだったり


散り散りになったものを 手で掬っては


私のものだからと言って 手放さないようにしてた


それは簡単なことではなくて けれど難しいことでもなくて


ただ未来の私がその一瞬の時を 後悔しないようにと


集めては掬って 掬っては集めている


その重さに耐えきれなくて こぼしたり


いつの間にか 漏れてしまったり


全部が全部 掬いきれたり抱えきれるものではない


それでも私には 守らなきゃいけない事だったり


どんなに苦しくても 忘れられない事もある


その時の私は どうあがいても私でしかなく


いつまでも心の奥底に 残し続けたいもの


だから今日も私は 私を見失わないように


私が私で いられるように


一つずつ掬っては こぼれ落ちる私を見る


今を生きていた 証として


私にしか できない事だから